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自己資本比率の意味と使い方。「数値が高いほど優良企業」は間違いである理由とは

こんにちわtachann(@tachann)です。

私のブログで株主優待のご紹介をする際にPER、PBR、自己資本比率は必ず書くようにしています。

優待内容だけですと割高・割安などの判断もしにくいですし、倒産の危険性などをお伝えしにくいためです。

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本記事では自己資本比率とはどういうものなのか、どうやって使えばいいのか?を誰でもわかるように解説していきます。

自己資本比率とは?

自己資本比率は経営の安全性を測る指標の1つです。簡単に言えば「倒産のリスクが高いか低いのか」を見る指標ですね。計算式は下記の通り。

自己資本比率=自己資本÷総資本×100

自己資本とか総資本とかよくわからんって方は家計に置き換えるとわかりやすいですよ。

①自己資本=銀行にある貯蓄

②負債=キャッシングで借りたお金

③総資本=キャッシングで借りたお金と銀行の貯金を合わせた現在手元にあるお金の全て

つまり自己資本比率100%は無借金経営ということになります。「借りているお金の比率がどれぐらいあるか」を表すのが自己資本比率なんですね。

自己資本比率の目安

一般的に自己資本比率60%を超えると安全な企業と言われています。上の家計の例で説明すると、

銀行貯金60万、借金40万、総資本100万円

この状態で借金を全て一括返済しても、総資本は20万円に減りますが債務超過にはならないですよね?仮に自己資本比率50%だと借金を全額返すと手元のお金は0円です。やり直しもできない状態です。これが60%だと安全と言われる所以です。

自己資本比率が10%以下を家計に置き換えて考えると以下に危険かわかりますよね!?

銀行貯金10万円、借金90万円、総資本100万円

この状態で15万円の返済期日が来れば5万円の債務超過です。やべーですね。

企業において、いきなり借り入れしているお金を全て返す事は現実的には起こり得ず、一般的には40%以上あれば比較的倒産しにくい会社と言われていますよ。

じゃあ自己資本比率100%の会社が最強で、その会社買えばいいやん!?

と思ったらアナタ!ちょっと待って。自己資本比率が高ければ高いほど良いってものでもないんだ。

自己資本比率が高ければ高いほど優良企業は間違い

自己資本比率(2018年11月時点)80.4%、37.1%、17.6%、11.6%、5.3%。これらの数字がどの企業かわかりますか??

左からニトリ、トヨタ自動車、ソフトバンク、イオン、ゆうちょ銀行です。ニトリを除いて全てが自己資本比率40%を下回っていますが、どの企業もダメな企業でしょうか?

決してそんなことはないですよね。株価も右肩上がりに伸びている企業もあります。株価が上がるということは市場で自己資本比率が低くても評価されているわけです。

成長率と相反する考え方

株式市場に上場を目指す会社は①株主を募りお金を集める②認知度アップ③信頼度アップなどを目的で上場を果たします。

①で集めたお金は返す必要のないお金なので自己資本になりますよ。他にも増資など株式市場で集めるお金は基本的に自己資本になります。

株主は何をもって上場したその企業に期待して投資をするのでしょうか?

配当金、株価UPなど企業価値の向上、優待などなどですよね。つまり極論は投資した企業が倒産せずに成長する期待値に投資しているわけです。

投資した企業が倒産しなくとも全く成長しなかったら自己資本比率が高くても何のためにお金集めたの?ってがっかりしますよね。

年率10%稼ぐ自己資本100万円の企業が1年間で稼ぐ金額は10万円です。200万円借金して同じように年率10%稼げば30万円です。金利1%(200万円×1%)の2万円を支払っても28万円稼いだわけです。その差は18万円もあります。

稼ぐ力があるのであれば借金をして経営した方がより成長する。確かに自己資本比率が高いことは安全ではありますが、自己資本比率が高すぎるとこのように成長率を抑えていると捉えられるわけです。

裏を返すと成長率の高い企業は自己資本比率が低くなっている可能性があるということです。

業種によって異なる

業種によって自己資本比率が高い、低いといった傾向があります。

自己資本比率が高い業種

製造業、小売業など

メーカーなどは工場や機械などに掛かるお金が巨額になりがちなので自己資本比率を高くしている企業が多いです。小売業も店舗という意味で同じですね。

自己資本比率が低い業種

銀行、保険、ITなど

銀行や保険は資産のほとんどを預金者からの借り入れ(預貯金、定期預金、保険)などで出来ている特殊な業種です。

ITなどの成長著しい業種は成長スピードに追いつくために積極的に先行投資をするため借り入れを増やしているケースがあります。ソフトバンクなどはこのケースですね。

業種平均に対して自己資本比率はどうなのか?と見るべきとも言えますね。製造業で自己資本比率10%を切っているとかなり危険ですが、銀行業では一般的です。

自己資本比率を変える方法

自己資本比率は自己資本を総資本で割って100を掛けたものです。自己資本が上がれば自己資本比率は上がりますし、総資本が上がれば自己資本比率は下がります。

自己資本比率を上げるには?

①自己資本を上げる。

返さなくていい資金を増やせば自己資本は上がるので、手取り早いのが新株発行の増資です。(発行株式数が増えて1株あたりの利益が減るので株価は落ちます)また長い目線では純利益を積み重ねたりして自己資本を積み上げます。

②総資本を下げる。

借り入れしてるお金を返済することで自己資本比率は上がります。とは言っても返済するお金が無い場合は保有している不動産や有価証券などを売却してその資金を返済に充てるなどを行ったりします。

自己資本比率が低い会社が自己資本比率を上げようとするとき、上記のような行動を起こすので注意が必要です。特に増資なんかは株価がダイレクトに下がります。

自己資本比率を下げるには?

①自己資本を下げる

自己資本を下げる方法として、自社株買いでお金を使う、配当金を増やす、先行投資をするなどお金を使う方向で自己資本を落とす方法があります。また決算毎に赤字を出すことも自己資本を下げることに繋がります。

自社株買い:発行している株式を買い取って償却することを意味します。発行株式数が減って1株あたりの利益が増えるので株価は上がります。

②総資本を上げる

総資本を上げるのは簡単です。借り入れするお金を増やすことです。目的もなくお金を借りるのは現実的では無いですが、新規事業などの計画をたて借り入れすることで総資本を上げることができます。

黒字の企業が自己資本比率を下げるのはどちらかと言えば株主還元や新規事業チャレンジをすることが多いですね。自己資本比率が高い企業が目標〇〇%まで落としますと宣言した時は株主還元を期待しますね!

自己資本比率の確認は簡単

毎回毎回自己資本比率を計算するのって面倒ですよね。各証券会社や色々なサイトでも指標を確認する事は出来ます。

サイトごとにそれぞれ自己資本比率の算出方法が異なるので幾つかのサイトで確認しましょうね。「実測値や予想値」や「単独や連結」など、どの数値を基に算出しているか異なるためです。

SBI証券

Yahoo!ファイナンス

モーニングスター

これらサイトでも確認する事ができますのでご参考にしてくださいね。

まとめ

自己資本比率は倒産するリスクを図るモノサシ指標

●自己資本比率の目安は40%ー60%以上

●しかしながら業種による(銀行などは低い)

●自己資本比率が高いと成長性がないとも捉えられる

●自己資本比率を上げ下げする要因はいくつかある

本記事をまとめると上記の通りです。パッと見て自己資本比率が極端に低い場合、同業他社と比べてどうか?直近の実績はどうか?など少し注意してみる必要がありますね。

また、自己資本比率が極端に高い場合には、経営者の事業ビジョンで将来性があるかどうかなど経営に前向きさがあるかどうかも考えるべきかもしれません。

今回は自己資本比率の解説でしたが、どの指標も万能という訳ではありません。あくまでツールの一つです。指標を勉強するのであればこの本が一番参考になりますので是非読んでみてください。

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30歳のごく普通の二児パパサラリーマンです。 家計のやりくりもすべて自分がやってまして、お得な情報や資産運用の情報をコンテンツとして役立つブログを配信していきます。 普段の「ほのぼの」もたまには・・・